第3回:カミサマがくれたチャンス の回
廃棄くん:「何、天が味方って」
アリス:「プロデューサーが入院したの」
廃棄くん:「え…」
チェシャ猫:「チャンスだね」
アリス:「正直、思ったわね」
廃棄くん:「おまえらって…」
アリス:「もちろんデジカメ片手にお見舞いに行ったわ。2回も!あと、これは他の人も知らないんだけど、実は、ちょうどそのとき、企画担当者のおばあさんも入院して……」
廃棄くん:「…い、行ったの?」
アリス:「ええ…デジカメ片手に…」
廃棄くん:「ひでえ…」
アリス:「ひどくない!ちゃんとお見舞いもしたもん!」
チェシャ猫:「死んじゃった?」
アリス:「!? 生きてるッ!生きてるよ!?」
チェシャ猫:「そう?」
アリス:「な、なんてこと言うのよ!あ、焦っちゃったよ、もうっ…。心配しないで。ふたりともとっくに退院してるし、元気よ。…たぶん」
廃棄くん「…最後、なんで目をそらした?」
アリス:「えー、そんなふうに皆様のご協力もいただきまして、背景は結構順調にできた、かな?まあ予定より画像枚数がかなり多くなっちゃって、容量制限との戦いだったけどね」
廃棄くん:「俺ら…キャラクターは?」
アリス:「チェシャ猫と私は早い段階からイメージが固まってたみたいね。意外にイメージが固まりづらかったのはシロウサギだって。靴はかせるか、はだしにするかとか、結構揺れ動いたみたいよ。あと苦労したのは…絆創膏親方ね」
チェシャ猫:「ちいさいのだね」
アリス:「体中が絆創膏で埋めつくされてるって設定だったんだけど、携帯電話の画面に表示してみると、どうしてもその絆創膏が見えなくなっちゃうのよ。担当者にいろいろ試行錯誤してもらったんだけど…でも結論から言うと、出なかった!」
廃棄くん:「ま、仕方ねえよなァ、携帯電話のちっせー画面なんだし…おまけに画像って圧縮するもんな」
アリス:「そうなのよ!細い線とか消えちゃうのよ!いくらシロウサギにふわふわの毛をまとわせたところで、携帯電話じゃ分かりゃしないのよ!」
チェシャ猫:「フワフワ…」
廃棄くん:「あー、PC用の壁紙見ると、確かにシロウサギ、毛ぇ生えてるよな。携帯電話じゃつぶれちゃうんだ、ああいうの」
アリス:「つぶれます。跡形もなく。他の子たちも、結構、クオリティ高めで作ってくれてあるんだよ?ドアップで見ても耐えられるくらい。でもやっぱり容量の問題とか、いろいろいろいろ壁があって、見せきれなかったの…」
廃棄くん:「ふーん」
アリス:「……ごめんなさい……主に作ってくれた人、ごめんなさい……あんなに細かく要求しといて、全く映んなかったりしてごめんなさい……ウサギの足なんてあんなに悩んだのに、結局映らないし、トランプ兵なんか作らせておいて存在そのものが消えたし……イモムシなんか見えやしないし……ほんとごめんなさい……」
廃棄くん:「ア、アリス、アリス!あ、ほ、ほらでもムービーじゃ、ちゃんとアリスとかアップになってるじゃんか!ちゃんと作ったのも無駄じゃなかったじゃん!な!?」
アリス:「…ムービー?フッ……じゃあ次回はムービーのお話を…」
廃棄くん:「な、なんだよ、そのニヒルな笑いは…」
第4回に続きます……
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