導入事例
Roosterシリーズやサービスを活⽤している
様々な業界・業種、企業規模のお客様から、
ご利⽤の⽬的や背景、
利⽤後の効果についてご紹介します。
株式会社アイテック様
PHS回線網を用いて運用していたコインパーキングの遠隔管理機能をLTE回線へスムーズに移行!
2019年04月25日
コインパーキングに設置している自動精算機から実績を収集したり、設定変更を行う遠隔管理の通信手段の一つにPHS回線を利用してきたアイテック。PHS(通信・通話プラン)の終了前にLTEへの置き換えを検討する中で、自動精算機側には全く手を加えず、通信機器を入れ替えるだけでLTE化できるRooster AX220が採用された。
- 導入の背景
2020年7月末にPC上で稼動する遠隔管理用に使用しているPHS(通信・通話プラン)端末が終了となるので代替え機器を早急に探したい
開発部 開発一課
課長
崔 成喆 氏
株式会社アイテックが製造・販売した自動精算機は、全国で11,000ヶ所にものぼる駐車場で稼動している。また、製造・販売だけでなく、メンテナンスや集金サービス、24時間365日対応のコールセンターなど、駐車場運営会社様をトータルサポートしている。
株式会社アイテックの開発部 開発一課 課長の崔氏はこう語る。
「当社は1994年以来、駐車場機器メーカーとして研究開発に取り組んでまいりました。自社開発の駐車場機器は大きく分けてゲート式、ロック板式、カメラでナンバーを認識して精算ができるロックレス式の3種類となり、中でもロックレス式は業界初めての方式ということもあり、かなり大きな反響を呼びました。
また、当社は機器メーカーとして販売だけでなく、運営・管理のサポートもしており、お客様はオフィスから離れた、遠隔地にある自動精算機の設定変更や料金変更も可能であり、コールセンターやメンテナンス担当もリモートから接続してサービスを提供しています。」
「コインパーキングは名前のとおり、まだまだ現金で精算するところが多いのですが、近年キャッシュレス化が進む中、多種多様な決済方式や、ポイントサービスなどが増えており、運営会社様のご要望により機能追加ができるよう、遠隔から設定変更できるソフトウェア(以降、遠隔管理ソフトウェア)は無償提供しています。」開発部 開発三課の遠藤氏が付け加えた。
開発部 開発三課
遠藤 純子 氏
そんな駐車場運営をトータルサービスするために運用していたのが遠隔管理ソフトウェアだ。
「基本的にコインパーキングが無人のため、売上情報の収集や設定変更などは、遠隔管理ソフトウェアを無償提供してPHS回線や、インターネット回線を利用しています。中でもPHS回線をご利用されるお客様は、直接パソコンにPHS端末を接続して専用の遠隔管理ソフトウェアでアクセスしているというのが現状です。もちろん自動精算機側にもPHS回線を利用していたため、2020年7月末にパソコン側のPHS(通信・通話プラン)が終了になると聞いた時は、大きなソフトウェアの変更が必要になるのではないか、自動精算機も改修をすることになるのかと、心配になり、なんとか最小限の変更で済む方法がないかと検討した次第です。」(崔氏)
どの通信方式をとるのか、どうやってインターネット化するのかを社内で何度も検討会議を開催する中で候補にあがったのがRooster AX220だ。
- 選択の決め手
PHSと精算機とのシリアルインターフェイスをフルコンパチで対応
開発部 開発二課
市原 俊大 氏
Rooster AX220はLTEマルチキャリア対応の通信モジュールが搭載されたダイヤルアップルータで、PHSやISDN、アナログ回線からの置き換えにも応えるようシリアルインターフェイスを搭載したモデルだ。
低コスト・小型ながらも、モデム通信機能から、プロトコル変換機能、ルータ機能を実装し、IoT/M2Mの様々な環境でも安定した稼働実績を誇る。
「最大の決め手は、自動精算機側に一切プログラム修正をかけず、PHSモデムをRooster AX220に置き替えるだけ!という点です」こう語るのは開発部 開発二課の市原氏。
「自動精算機側は、古い機種から様々なバージョンが存在しており、そのプログラム修正はしたくなかったというのが本音です。自動精算機側はそのままの前提で、通信I/Fを入れ替えるだけのものを探している中では、3~4社ほど候補が上がったのですが、サン電子はPHSモデムのプロトコル仕様をRooster AX220のファームウェアで吸収してくれたというのが決め手です」
「サン電子の開発の米内さんとは何度もやり取りさせていただいたのですが、レスポンスもよく、こちら側の要求に応えてくれました。こちら側の仕様の勘違いから、何度も問い合わせすることがあったのですが、都度調査をしていただき、正しい動作になるようアドバイスもいただきました。」(崔氏)
さらには、センター側のPHS(通信・通話プラン)が終了ということで約4,700ヶ所のLTEへの移行をいかにスムーズに行うかの検討からスタートしたのだが、LTE化にすることで、一元管理ができるWEB遠隔システムの利用が可能になったことが大きいという。
「従来専用のパソコンだけでしかアクセスできなかったのが、インターネット回線だけ用意すれば、一元管理が可能なWEB遠隔システムへのアクセスが可能になり、パソコンだけではなくスマートフォンでも容易に運営管理ができるようになりました。複数個所を管理されている運営会社様は、簡単に複数個所の設定変更やイベント時だけの料金設定変更も可能になり、運営会社様へのサービス向上につながっています。また、人の操作で都度実施されていた、売上データの収集も、定期的にホスト側で実施することが可能になったため、運営会社様の人件費などのコストダウンも期待できるかと思います。」
遠隔管理システム構成
- 評価と展望
近距離無線などの新しい通信技術のご提案に期待します!
PHS回線がLTE回線へ切替わって、高速大容量伝送が可能になった自動精算機。
今後は多様化する決済システムや、設備側の施工の簡素化に向け新たな通信技術に期待を寄せる崔氏。
「現在、駐車場内は、シリアルケーブルやLANケーブルで設備機器と接続しているのですが、今後は駐車場内の接続を近距離無線で実現できれば、施工もメンテナンスも簡素化できるのではないかと思っています。ただ課題も多く、電源周りや隣の駐車場との電波干渉などもあると思いますので、解決する方法があれば、ご提案をいただければと思います。」(崔氏)
「今後コインパーキングの市場はICカードやバーコード、モバイル決済などの多様なI/Fに対応したキャッシュレス化の方向に向かっていくと思います。その為には上位システムとの連携が必須であり、有線・無線でも安定・低コストな回線選択や、今後5Gなどの技術や自動運転化への対応も含め、コインパーキング市場の有力な機能実現のサポートを期待しています。」
社名 | 株式会社アイテック |
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本社所在地 | 東京都文京区後楽2-1-3 NS飯田橋ビル |
設立 | 1994年7月 |
従業員数 | 110名 (2019年2月現在) |
事業内容 | 駐車場設備機器の製造・販売・設置・保守管理業務、時間貸駐車場の運営・管理・集金業務、機械器具設置工事、とび・土木工事業、電気工事業、電気通信工事業の設計、施工・管理の請負ほか |
URL | https://www.i-tech-corp.co.jp/ |