第1回:ふらりふらり の回
アリス:「そんなわけでね、制作秘話を語ることになったんだけど……」
チェシャ猫:「どうしたんだい、アリス」
アリス:「……語れるような話なんかあった?」
チェシャ猫:「じゃあ帰ろうか」
アリス:「だ、だめだよ!せっかくコーナーもらったんだから。ひねり出すのよ、秘話を!」
チェシャ猫:「ヒワ……」
アリス「……何かある?」
チェシャ猫「……。鈴が無かった?」
アリス「?……ああ!そうね。チェシャ猫の鈴、最初は無かったんだよね。でも、それを聞いたところで、皆、大して嬉しくないと思うわ……」
チェシャ猫:「どういうのが嬉しいんだい?」
アリス:「うーん……聞いて得したなあとか思うような情報かな……」
チェシャ猫:「閉店前のスーパーに行くとお弁当が安いよ」
アリス:「……ありがと。とっても得したわ。でもね、皆が知りたいのはそういうんじゃないのよ」
廃棄くん:「おまえら、うっとーしい会話してんなァ……」
アリス:「廃棄くん!だ、だめだよ、出てきちゃ!あなた今、公爵夫人のお腹の中のはずなんだから!」
廃棄くん:「本編とは関係ないって書いてあるじゃんか。お前らだけだと話がすすまねーだろ。ほら、ちゃっちゃと進行する!」
アリス:「だ、だって、皆が喜びそうな情報って思いつかないんだもん」
廃棄くん:「難しく考えんなよ。裏話だよ。ちょっとしたトラブルとか、意外なこととか……なんかあっただろ?」
アリス:「そうね……あ。廃棄くん、途中でタローくんに名前変わってたんだよね」
廃棄くん:「……それ不思議だったんだけどさ、何で?すごい突然、ひっそりと変わってたよな」
アリス:「廃棄くんって名前はひどくない?って意見が内部で出たから。でもねー、変えたら変えたで、廃棄くんのほうが良かったのにーって言われちゃって戻したんだって」
廃棄くん:「……俺としては、今でもそのネーミングには異議があるがな……まあいい!他には?」
アリス:「他かあ……チェシャ猫、何かある?」
チェシャ猫:「……ミッドナイト・アリス?」
廃棄くん:「なんだそりゃ」
アリス:「あー、タイトルね!あのね、『歪みの国のアリス』っていうタイトルも、途中で一度変わったのよ。『ミッドナイト・アリス』っていうタイトルに」
廃棄くん:「なんで」
アリス:「……英語のほうがカッコいいかなって思ったみたい」
チェシャ猫:「そうでもないけどね」
アリス:「……そうね。今となっては私もそう思う」
廃棄くん:「なんか……フラフラしてんだな……」
アリス:「人に言われると、そうかも、って思っちゃうみたいよ」
廃棄くん:「そんなんでよく完成にこぎつけたよな」
チェシャ猫:「奇跡は起こるから奇跡なのさ」
アリス:「あ、チェシャ猫、いいこと言うー」
廃棄くん:「他には?」
アリス:「……うーん、何かいろいろあったような気はするんだけど、いざとなると出てこないよ」
廃棄くん:「あ、じゃあさ、最初から話してみれば?」
アリス:「最初から?」
廃棄くん:「企画立案から順を追って思い返すんだよ。そうすりゃ何か思い出せんだろ」
アリス:「……うーん……そう、だけど」
廃棄くん:「なんだよ、何か問題かよ」
アリス:「なんか思い出したくないことも思い出しそうでやだなあ……」
廃棄くん:「いいからやるッ!!」
アリス:「はいっ!!」
第2回に続きます……
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