第4回:ムービーに秘められた謎 の回
廃棄くん:「携帯アプリのくせにムービー作るなんてさあ、珍しいっつうか、物好きっつうか…」
アリス:「くせにとか言わないのよ…それにあれはもともとPCサイトのために作ったんじゃないんだもん。ムービーのトップページにもそう書いてあるでしょう?」
廃棄くん:「ああ、WPCエキスポとか……でさ、WPCエキスポって何?」
アリス:「…………」
チェシャ猫:「…………」
廃棄くん:「な、何だよ!」
アリス:「WPCは…WPCだよ……ね?」
チェシャ猫:「ネー」
廃棄くん:「だからWPCって何よ」
アリス:「ワールド……プロレス…センター…?」
廃棄くん:「!? 今、なんつった?」
アリス:「と、とにかく、そのWPCにね、サン電子がブースを出すことになって、いつの間にかアリスのムービーを作ることになってたの!」
廃棄くん:「いつの間にかって」
アリス:「だって本当に知らなかったんだもん!何か知らないけど、作ることになってたの!!」
廃棄くん:「…そういうモンなの?」
アリス:「まあ、何はともあれ、作ったんですって。仕事の合間に」
廃棄くん:「合間?」
アリス:「G-sectionってチームが作ってるんだけどね。他にもメインのお仕事抱えてて。だから開発の中頃までは、アリス関係のお仕事は手が開いたらやる!みたいなとこがあって」
廃棄くん:「スキマ産業かあ。で、どうだったわけ、反応は…」
チェシャ猫:「ああ、それなら……もごっ」
アリス:「大盛況だったわ!」
廃棄くん:「まじで?…じゃ、なんで猫の口押さえてんの?」
アリス:「これは違うわ、これはっ……チェシャ猫、過呼吸で!」
廃棄くん:「い、いやいや、猫、何か顔色悪くなってんぞ!?」
アリス:「もともとですッ!」
廃棄くん:「死ぬって!死にかけてるって!」
アリス:「死ぬぐらい何よ!もう生首なのよ!?死んだって大してかわりゃしないわ!」
廃棄くん:「アリスっ、落ち着け、言ってることめちゃくちゃだぞ!」
ビル:「WPCエキスポは」
廃棄くん:「わあ!!」
アリス:「ビル…」
ビル:「日経BP社による、パソコン、デジタル機器の総合展です」
廃棄くん:「いっ、いきなり出てくんなよ!」
ビル:「アリスが混乱しているようですので。ちなみにアリスのムービーは見向きもされませんでした。そうですね、アリス?」
アリス:「うう…」
チェシャ猫:「泣くことはないんだよ、アリス」
ビル:「そうです、アリス。悲しむ必要はありません。そもそも携帯アプリのプロモムービー自体が場違いなのです。そんなもの、出す方が悪いのです」
廃棄くん:(追い討ちかけてるような…)
アリス:「うううう…!」
廃棄くん:「あーでも、ほらっ。そこでムービーを作ったおかげで、今、皆に見てもらえるわけだろっ?良かったじゃん!な!ムービー、無駄になってないし!皆にも喜んでもら……もらえてる、のか…?」
チェシャ猫:「…………」
ビル:「…………」
アリス:「…………。うっ」
廃棄くん:「もらえてる!喜んでくれてる人も世の中にゃいるって!!えーとっ……5人くらいは!!」
アリス:「5人…。ならいい」
チェシャ猫:「良かったね、アリス」
アリス:「うん!」
廃棄くん:(5人いればいいのか……)
第5回に続きます……
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