第5回:ポリゴン世界の裏事情 の回
廃棄くん:「しかし、ムービー…あんま人、出てこねえよな」
アリス:「私とチェシャ猫と雪乃だけだもんね」
廃棄くん:「しかも猫、首バージョンだけだろ」
アリス:「えー?そんなことないよ。全身のもいるよー」
廃棄くん:「どこに」
アリス:「えっと…ほら、ここ!ほら、この教室のドア閉めてる人!」
廃棄くん:「分っかんねぇよ!!」
アリス:「でもっ、ほんとよ!?設定上、チェシャ猫がいるってことになってるってわけじゃなくて、ちゃんと居るのよ、そこに!猫が!!」
廃棄くん:「じゃ、もうちょいちゃんと見せてやれよ…」
ビル:「骨がありませんので」
廃棄くん:「は?」
アリス:「あああ、ビル、だめよ!そういうこと言っちゃだめ!」
ビル:「真実を述べたまでです、アリス」
アリス:「隠しておいたほうがいいこともあるのー!」
ビル:「ちなみに私は胸から下が…」
アリス:「それは絶対言っちゃだめえええ!!!」
*ここからはちょっとだけ夢を打ち砕く内部事情になります。
打ち砕かれたくない方は読まないでくださいね。
廃棄くん:「骨って何だよ」
アリス:「…キャラクターモデルの中に入ってる骨。ボーンね。骨がないとね、動きがつけられないのね。というか骨を動かして人の動きをつけていくの」
廃棄くん:「急にリアルで技術的な話になったな、おい」
アリス:「チェシャ猫、骨がないの…っていうか、そもそも私以外で骨が入ってるコは少ないのよ」
廃棄くん:「そうなの?」
アリス:「骨を入れるのって結構手間なんだよ。入れちゃえばポーズを自由に変えられるから便利なんだけどね。でも、骨を入れずに固定ポーズで作ったほうが早い場合が多いの」
廃棄くん:「なんとなくわかるような、わからんような…」
アリス:「分かり難いか…あのね、私は関節可動式のマネキンなんだけど、チェシャ猫は木でできたこけしだと思ってくれればいいわ。マネキンは自由にポーズが変えられるけど、こけしは首曲げたりできないでしょ?」」
廃棄くん:「あー、なるほど」
アリス:「キャラが多かったから…それにアプリ内での動画は考えてなかったし、スピード重視でこけしスタイルのコが多いのね」
廃棄くん:「…ま、ここだけの話、俺もこけしだもんな」
チェシャ猫:「それにWPCが攻めてきたとき、僕とアリスくらいしかいなかったしね」
アリス:「攻めてきたとか言わないの」
廃棄くん:「あー、確かに俺、直接は知らないなァ。WPC騒動」
アリス:「廃棄くんの生まれる前の話だからね」
廃棄くん:「ふうん、ムービーに使える素材がなかったわけか。それでやたら登場人物が少ないんだな…」
アリス:「そう…。ね、内緒よ?これはほんと、内緒だよ?ほらやっぱボーンとかポリゴンとか言いたくないじゃない?」
チェシャ猫:「わかるよ、アリス。肉とか内臓とか言いたいんだね」
アリス:「…ん…まあ、そういうことにしといても、いい」
廃棄くん:「いいのか!」
第6回に続きます……
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